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ライトコイン(LTC)とは

ライトコインは2011年に元GoogleのエンジニアであるCharlie Lee氏により考案されたブロックチェーンプロジェクトです。ビットコインのコードをベースに開発が行われたためビットコインに近い性質を有していますが、ブロック採掘に要する時間をビットコインより短く設定したことや、ビットコインで未採用の技術を導入したことなどにより、ビットコインとは異なる特徴を持っています。
またライトコイン上で流通する暗号資産(仮想通貨)をLTCと言います。

この記事ではライトコインとLTCの概要や特徴についてご紹介します。

ライトコインとLTCとは

ライトコインとLTCとは

ライトコインはビットコインのコードをベースに、ビットコインの欠点を補う形で開発が行われました。最初のブロックは2011年に採掘されており、ビットコインの次に古い歴史をもつブロックチェーンです。ライトコインはビットコインのデジタルゴールドに対してデジタルシルバーと言われることもあり、技術的にもブランド的にもビットコインに近いポジションをとっています。
また、ライトコインブロックチェーン上で流通する暗号資産(仮想通貨)をLTCと言います。2022年12月29日時点、時価総額は約6,390億円ほどで、時価総額ランキングは14位に位置しています。

ライトコインとLTCの特徴

ライトコインとLTCには以下の特徴があります。

開発環境

ライトコインはビットコインのコードをベースに、元GoogleのエンジニアであるCharlie Lee氏によって発案されたブロックチェーンプロジェクトです。

ライトコインの具体的な特徴は後ほど解説しますが、最も際立った特徴は「ビットコインと並走する形で開発が行われてきた」という点です。ライトコインはコードのベースがビットコインのものであるため、ビットコイン用に開発が行われた技術をライトコインに適用することは難しくなく、ビットコイン用の技術をビットコインよりも先にライトコインに適用させた例も存在します。

例えばSegWit(Seggregated Witness)という仕組みです。これは署名データを従来とは別の領域に格納することで、トランザクション展性(二重支払を可能としてしまう不具合)の解決と実質的なブロックサイズの拡大を行える技術として、ビットコインで使用するために開発が行われていましたが、先にSegWitをメインネットで使用したのはライトコインでした。

SegWitはトランザクション展性というクリティカルな問題を解決するために必要な技術である一方、実質的に使用できるブロックサイズが多少拡大するため、ブロックサイズの上限が理由で手数料高騰や取引の処理遅延などが発生する問題(スケーラビリティ問題)にも貢献するという側面があります。

ライトコインはビットコインとは全く異なる独自のブロックチェーンを作るのではなく、ビットコインと並走しながらビットコインの欠点を補う形で開発が行われています。

ブロックタイム

ビットコインは平均して10分毎に新しいブロックが採掘され、既存のブロックチェーンの先頭に繋げられます。このブロック採掘に要する時間のことをブロックタイムと呼びます。ビットコインのブロックタイムは約10分ですが、ライトコインのブロックタイムは約2.5分です。つまり約2分半ごとに新たなブロックが採掘される仕組みとなっています。

Charlie Lee氏はビットコインの欠点を補うために、ライトコインを開発しました。ライトコインのブロックタイムは2.5分ですが、なぜこれがビットコインの欠点を補うことになるのでしょうか。これを理解するためには、ブロックチェーンにおける暗号資産(仮想通貨)の送付の仕組みを理解する必要があります。

1 BTCの送付を行った場合、「1 BTCをこのアドレスに送りたい」という指示(トランザクション)がブロックチェーンに伝えられ、一旦保留されます。この時点では送付は完了していません。トランザクションがブロックに取り込まれ、そのブロックが採掘された時点で、このトランザクションは1承認を得ることになります。

更に次のブロックが採掘されるとそのトランザクションの承認数は2承認、更に採掘されると3承認、という形で増加していき、承認数に比例する形で安全性が高まり、トランザクションが後になって覆され二重送金等の被害に遭う可能性が減少していきます。

前置きが長くなりましたが、「ビットコインのブロックタイム約10分間は長すぎるため、ユーザーの利便性を損なう」という考えのもと、ライトコインのブロックタイムは約2.5分に設定されました。ブロックタイムが短い場合、セキュリティを確保するために、より多くの承認数を持って取引の完了と捉える必要がありますが、ブロックタイムが長い場合よりも細かい調整ができるという利点があります。

ユーザー獲得

「ビットコインがゴールドであるならばライトコインはシルバーである」という言説は、ひとつのブランディングではありますが、ライトコインはこのような連想によって親しみやすさや理解のしやすさを提供することで、多くの暗号資産取引所へLTCを上場し、ユーザーの獲得を促進してきました。

また、LTCは2011年からの歴史を持つ暗号資産(仮想通貨)であり、黎明期から現在に至るまで大きな時価総額を有してきたため、多くの暗号資産取引所がLTCの取り扱いを行っているという点もライトコインが持つ大きな特徴です。

ライトコインとビットコインの共通点と違い

ライトコインとビットコインの共通点と違い

ビットコインのコードをベースに開発が行われたライトコインですが、ビットコインとどのような共通点や違いがあるかみていきましょう。

アルゴリズム

ビットコインはSHA-256というアルゴリズムを使っており、ビットコイン以外にはビットコインキャッシュがSHA-256を採用しています。一方、ライトコインはScryptというアルゴリズムを使っています。異なるアルゴリズムを利用する理由のひとつは、GPUやASICに対して耐性を持たせるためです。

ビットコインを採掘するためにはASIC(特定用途向け集積回路)という専用のマイニングマシンが必要です。専用のマイニングマシンを必要とする採掘には多額の資金が必要となるため、マイニングは産業化し、少数の業者が寡占する事態を招く恐れがあります。

暗号資産(仮想通貨)の黎明期には個人のPCに付属しているCPUを使って採掘を行うことが想定されており、ASICは存在さえせず、GPUによるマイニングに対して耐性を持たせようという動きがありました。これはCPUとGPUでは、GPUのほうが所有者が偏っており、分散性に悪影響を及ぼすと懸念されたためです。CPU、GPU、 ASICにはそれぞれ得意不得意があるため、アルゴリズムの計算過程にGPUやASICに不得意な動作を含ませて、これらのマシンに対する耐性を持たせることを「プロトコルにASIC/GPU耐性を持たせる」と表現します。

そのような理由からライトコインはScryptを採用しましたが、ソフトウェアやハードウェアの進化によって、その他多くのアルゴリズムと同様にライトコインのGPU/ASIC耐性は徐々に破られていき、現在ではASICでのマイニングが一般化しています。なお、ASICにはそれぞれ種類があるため、ビットコイン用のASICでライトコインを効率的に採掘することはできません。

半減期と発行総量

ライトコインのブロックタイムはビットコインの4分の1でありながら、1ブロックあたりの新規発行数量は同量であるため、LTCの新規発行のペースは4倍であり、発行総量の上限も4倍(8,400万 LTC)となっています。

ライトコインはビットコイン同様に、1新規ブロックあたりの新規発行数量(マイニング報酬)が半減していく「半減期」という仕組みを採用しています。マイニング報酬はブロックを採掘したマイナーに与えられる経済的なインセンティブです。

半減期は84万ブロック(約4年)ごとに発生します。ライトコインが誕生してから1年目〜4年目のブロック報酬は50 LTC、 次の4年間は25 LTCで、現在のブロック報酬は12.5 LTCです。次の半減期は2023年8月前後だと推測されます。

半減期の仕組みが採用されていることで、約4年毎に新規発行数量は半分になっていき、発行総数は8,400万 LTCに近づいていきます。つまり、ハードフォークをして抜本的な構造に変更を加えない限りは、LTCが無限に発行されることはなく、BTC同様に明確な発行上限が定められているということです。

新技術の導入

SegWitという技術がビットコインに先立ってライトコインに導入されたことは既に紹介しました。ライトコインはコードのベースをビットコインと共有しているので、ビットコイン用に開発が行われた技術を利用することができます。これはライトコインだけでなく、ビットコインにとっても有益です。

なぜなら、ライトコインがビットコインよりも先に新しい技術を使用してくれることにより、不具合が発生するかどうかを実装前に確認できるためです。一見、ライトコインがビットコインのために利用されているように感じるかもしれませんが、新しい技術を先に使用できるメリットは小さくありません。

SegWitはビットコイン側で激しい議論が交わされたため導入が遅れましたが、ライトコインはSegWitをビットコインよりも3ヶ月ほど早く導入しています。ライトコインは2017年5月11日(ライトコインのブロック高:1,201,536)に、ビットコインは2017年8月24日(ビットコインのブロック高:481,824)に、それぞれSegWitを導入しています。

またビットコインへの導入は現時点では検討されていませんが、かつて議論された技術としてMimblewimbleというものがあります。Mimblewimbleはブロックチェーンデータサイズの縮小を可能にし、それによりセキュリティ面を強化する仕組みで、ライトコインは2022年5月にMimblewimbleを導入しました。

このように、ビットコインのコードをベースとしながらも、ビットコインでは導入が見送られた技術を採用していることも、ライトコインとビットコインの違いのひとつだと言えます。

ライトコインとLTCの主な出来事

ライトコインとLTCの主な出来事

ライトコインとLTCの主な出来事は以下の通りです。

2011年10月8日:ライトコインとLTCの誕生
2015年8月25日:1回目の半減期(50 LTC→25 LTC)
2017年5月11日:Segwitの導入
2019年8月5日:2回目の半減期(25 LTC→12.5 LTC)
2022年5月17日:Mimblewimble導入
2023年8月前後:3回目の半減期(12.5 LTC→6.25 LTC)

ライトコインとLTCは2022年10月に稼働開始11周年を迎えました。この間、大きなバグや稼働停止もなく安定的に稼働してきたことはライトコインとLTCにとって大きな実績であり、多くの取引所で扱われてることと並んで機関投資家などの過度なリスクを取れない主体にとって魅力的なポイントであるといえるでしょう。

まとめ

この記事ではライトコインとLTCについてご紹介しました。

ライトコインはビットコインに次いで古い歴史をもつブロックチェーンです。ビットコインのコードをベースにしているものの部分的に改変が行われているため、ビットコインに近い性質を持ちながらも、短い承認時間や比較的安い手数料を実現しているなどの特徴があります。

またライトコイン上で流通するLTCは2011年に誕生以降安定して稼働しており、開発速度は緩やかではあるものの新しい技術を取り入れる姿勢を見せている銘柄です。GMOコインでは「販売所」と「取引所(現物取引)」で購入できますので、ライトコインやLTCに興味を持った方は、購入を検討してみてはいかがでしょうか。

LTCの価格・相場・チャート