1. ホーム
  2. チャート一覧・マーケット情報
  3. イーサリアム(ETH)とは

イーサリアム(ETH)とは

イーサリアムは2013年にヴィタリック・ブテリンにより考案されたブロックチェーンプロジェクトです。分散型アプリケーション(Dapps)プラットフォームとして、さまざまなブロックチェーンアプリケーションを構築するための基盤となっています。
また、イーサリアム上で流通する独自トークンをETHと言います。

この記事では、イーサリアムとETHの概要や特徴についてご紹介します。

イーサリアムとETHの考案者

イーサリアムとETHの考案者

イーサリアムは2013年、当時カナダの大学に在籍していたヴィタリック・ブテリンによって考案されました。イーサリアムの着想を得る前にブテリンはビットコインの調査も行っており、Bitcoin Magazineというメディアも創設しています。

イーサリアムを考案した時点でブテリンは19歳でしたが、翌年の2014年にはピーター・ティールが運営するティール・フェローシップを受けて大学を去り、イーサリアムの開発に専念する道を選びます。

イーサリアムは一人の天才によってのみ構築されてきたわけではなく、ギャビン・ウッドやジョセフ・ルービンのような優秀な技術者と事業家を巻き込みながら、分散型コンピューターの構築、BTCでの資金調達、非営利組織としてのブロックチェーンコミュニティ主導など前代未聞の挑戦を行ってきました。

イーサリアムとETHとは

イーサリアムとETHとは

イーサリアムはワールドコンピューターと形容されることがあるように、複数のコンピューターによって構成されるネットワークで一つのコンピューターを構築しようとする試みです。イーサリアム以前にもグリッド・コンピューティングといって、ネットワークに参加する複数のコンピューターの未使用リソースを融通し合う仕組みは存在しました。

イーサリアムの特徴は、「イーサリアムを構成する全てのコンピューターが同じ状態を共有している」という点です。イーサリアムは全体として一つのコンピューターを形成しているため、ネットワーク内に矛盾があると不都合です。例えば、イーサリアムを構成するあるコンピューターは、「太郎君は10 ETHを所有しており花子さんは 5 ETH所有している」と記録しているのに、別のコンピューターは「太郎君が5 ETH、花子さんが10 ETH所有している」と記録している場合、矛盾が生じます。

イーサリアムは暗号資産(仮想通貨)という財産的価値を取り扱うコンピューターです。故に、全ての挙動に番号が付けられ、イーサリアムを構成するコンピューターは、この番号順に処理を行っていき、他のコンピューターと矛盾したデータを持たないようにすることが重要なのです。ここが単に計算力を融通し合うだけのネットワークとイーサリアムが大きく異なる点です。

またイーサリアム上で流通する独自トークンをETHといいます。2022年12月23日時点、ETHは約19兆7千億円の時価総額を持ち、BTCの約42兆8千億円に次いで二番目に時価総額が大きな暗号資産(仮想通貨)としての地位を確立しています。

イーサリアム2.0(合意レイヤー)

従来、イーサリアムはビットコインと同様にProof of Work(PoW)というコンセンサスアルゴリズム(合意形成の仕組み)が採用されていましたが、2022年9月に実施された大型アップグレード「The Merge」以降、ETHの保有量に応じて報酬を付与する仕組みであるProof of Stake(PoS)に移行しました。
Proof of Stake(PoS)導入後のイーサリアムのことをイーサリアム2.0(合意レイヤー)と呼びます。イーサリアム2.0(合意レイヤー)ではProof of Stake(PoS)への移行に加えて、セキュリティをある程度保ったままブロックチェーンを複数に分割するSharding(シャーディング)によって、ベースとなるブロックチェーンの処理能力を向上させる仕組みの導入も予定されています。

イーサリアム財団は、「イーサリアム2.0」という名称を段階的に「合意レイヤー」に変更すると公表しています。
“The great renaming: what happened to Eth2?”.ethereum foundation blog.
https://blog.ethereum.org/2022/01/24/the-great-eth2-renaming ,(参照 2022-12-23)

イーサリアムとETHの特徴

イーサリアムとETHの特徴

イーサリアムとETHには以下の特徴があります。

分散型アプリケーション「Dapps(Decentralized Applications)」

既に述べたようにイーサリアムは全体として一つのコンピューターを形成しているのですから、コンピューターの中に様々なアプリケーションがインストールされているように、イーサリアムの中にもアプリケーションを構築することができます。

これらのアプリケーションはまとめてDApps(ダップス)と呼ばれます。コンピューターの中にあらゆるアプリケーションがインストールできるのと同様に、DAppsも特定のカテゴリーに限定されるものではありません。いくつかの制限や課題はありますが、理論上はあらゆるアプリケーションが構築できます。

DAppsの最も重要な特徴はその執行能力と透明性です。

例えば、太郎君と花子さんがトークンAとトークンBを交換したいとします。このとき、彼らは銀行や証券会社等の仲介業者を使わずに、イーサリアム上で誰の干渉も受けずに交換を実施できます。また、トークンAは送ったがトークンBが送られてこない、ということもありません。

全てのデータは意図的に秘匿しない限りは全世界に公開されるため、強制力を持った執行と処理の透明性が確保されます。

2020年には、DeFi(分散型ファイナンス、読み方はディファイ)と呼ばれる金融領域のDAppsが大きく成長しました。2022年12月23日時点、DeFi領域に保管されている暗号資産(仮想通貨)の総額は5兆円を超えています。

DeFi領域の成長理由として、金融が上に述べた執行力や透明性と相性の良い領域であり、処理能力の限界に由来する制限があったとしても利用する合理性があることが挙げられます。イーサリアムが1秒間に処理できるトランザクションの数には限界があり、ネットワークで多くのトランザクションが生成された場合には手数料の高いものから順番にブロックに格納されていきます。ゆえに高い手数料を支払ってまで実行したくはないトランザクションの場合、ブロックチェーンの混雑状況によってはイーサリアムを使うインセンティブがなくなります。ユーザーは高い手数料を正当化できる活動であれば、混雑時には高い手数料を受け入れます。DeFiは金融領域のユースケースであり、手数料以上のリターンが見込める場合もあるため、混雑状況によらずに継続的に利用されており、それがDeFiが成長している最大の理由の一つです。

DeFi領域のサービスの例としては、お金の貸し借りを自動で行えるレンディングプラットフォーム、トークンの交換をサポートする分散型取引所、レバレッジをかけた取引を可能にするマージントレーディングが挙げられます。

これらのサービスは全てイーサリアム上のアプリケーションによって提供されており、アプリケーションはコードによって記述されています。これらのコードは次節で解説するスマートコントラクトを構成しており、それぞれのスマートコントラクトが相互に作用することで複雑な動作を可能にしています。

スマートコントラクト

DAppsはイーサリアム上のプログラムによって実現しますが、このプログラムはスマートコントラクト(賢い契約)と呼ばれます。

コンピューターの中のアプリケーションAとアプリケーションBが相互に作用できるように、スマートコントラクト同士も相互に作用することができます。イーサリアムネットワークの中では、人間によってコントロールされるアカウントとスマートコントラクト群が、複雑でありながらも、執行力と透明性を保った状態で関係し合っています。

この複雑性と執行力がときに問題を引き起こすこともあります。イーサリアム上ではETHやERC-20などの財産的価値を有するトークンが取り扱われており、更にスマートコントラクトには人間の手を必要としない執行力があります。そのため、スマートコントラクトにバグが含まれており、そのスマートコントラクトがETHなどのトークンを扱うものである場合には、トークンが流出したり、ロックされて取り戻せなくなることもあり得ます。

トークンの流出や意図しないトークンの凍結が起こってしまった場合に、どのような対処を取るべきかは常に激しい議論の的となります。事故が起こってしまった場合に取引を恣意的に巻き戻すようなことがあれば、パブリックブロックチェーンとしての公共性が失われてしまいますが、その事故がイーサリアムブロックチェーン自体を破壊してしまう規模のものであったら、イーサリアムのプロジェクト自体が継続できなくなってしまいます。

大きく分けて、コードに書かれた仕様の結果として発生したことに対しては何もしない立場と、発展途上のプロジェクトとしてコミュニティの合意を得た上で人的な介入を受け入れる立場があり、今後も何らかの事故が起きた場合には、激しい議論が交わされ、時にはブロックチェーンが2つに分岐する可能性もあります。

実際、2016年にはイーサリアム側の人的介入に反対した勢力によって、イーサリアムはイーサリアムとイーサリアムクラシックという2つのブロックチェーンに分岐しています。「クラシック」という名称は、不必要な人的介入を行わなかった真のイーサリアムは自分たちであるという意味が込められています。

しかし、結果的に多くの開発者やユーザーの支持を得たのは創設者であるヴィタリク・ブテリン率いるイーサリアムであり、2022年12月23日時点の時価総額では60倍以上の差があります。

このようにいくつかの困難と多くの残された課題はあるものの、イーサリアムは着実にワールドコンピューターへの道を進んでおり、最も活発に開発が行われている暗号資産(仮想通貨)プロジェクトの一つです。

イーサリアムとETHをより深く理解するためには、自身でDAppsを使ってみることが近道でしょう。

まとめ

この記事ではイーサリアムとETHについてご紹介しました。

イーサリアムは2013年にローンチされて以降、分散型アプリケーション(Dapps)プラットフォームとして活用されており、現在までにイーサリアム上でさまざまなブロックチェーンアプリケーションが誕生しています。また2022年9月には大型アップグレード「The Merge」が実施され、コンセンサスアルゴリズムはProof of Stake(PoS)へと移行しました。

今後のイーサリアムエコシステムの拡大や、それに伴う独自トークンETHの利用機会の増加に期待を寄せる方は、ETHの購入を検討してみてはいかがでしょうか。

なおGMOコインではサービスページやFAQなどを用意しています。ETH購入に関するご不明点がある際は、「販売所」や「取引所」のサービスページ、FAQをご確認ください。

ETHの価格・相場・チャート