コスモス(ATOM)とは

コスモス(ATOM)とは

コスモスは「Internet of Blockchains」の実現を目標としたプロジェクトおよびエコシステムの名称です。またブロックチェーン「コスモスハブ」で流通するネイティブトークンを「ATOM」と言います。

この記事では、これから購入や利用を検討している方に向けて、コスモスとATOMの概要、特徴、今後についてご紹介します。

コスモスとATOMとは

コスモスは、異なるブロックチェーンの相互運用性とスケーラビリティ向上を目指すプロジェクトです。2014年にJae Kwon氏によってプロジェクトの原案が考案され、2019年4月に最初のブロック(ジェネシスブロック)が生成されました。

コスモスエコシステムの中心として機能するブロックチェーンを「コスモスハブ」と言い、このブロックチェーン上で流通するネイティブトークンを「ATOM」と言います。
コスモスネットワークの参加者はATOMを保有することで、
ステーキング
ブロック生成
ガバナンスへの参加
などが可能となります。
2021年7月14日時点、ATOMは時価総額3,352億円、時価総額ランキング37位の暗号資産(仮想通貨)です。

コスモスのエコシステム

コスモスのエコシステム

“Cosmos ”.What is Cosmos?. https://v1.cosmos.network/intro ,(参照 2021-07-14)

コスモスでは「コスモスSDK」というブロックチェーン開発キットを利用して、ブロックチェーンを構築することができます。コスモスSDKを利用して構築されたブロックチェーンを「コスモスハブ」または「ハブ」といい、概要は以下の通りです。
コスモスハブ(Cosmos Hub):コスモスSDKで開発された最初のブロックチェーンです。コスモスハブで流通するネイティブトークンのことをATOMと言います。
ハブ(Hub):コスモスSDKで開発されたブロックチェーンです。それぞれのブロックチェーンで独自トークンを発行することができます。
なおコスモスハブとハブは他のブロックチェーンと接続し、相互運用することができます。接続されたブロックチェーンのことを「ゾーン(Zone)」といい、コスモスハブ、ハブ、ゾーンで構成されるエコシステム全体のことを「コスモス」と言います。

コスモスとATOMの特徴

コスモスとATOMの特徴

コスモスとATOMには、
ブロックチェーンの相互運用性
コンセンサス・アルゴリズム
などの特徴があります。
それぞれについてみていきましょう。

ブロックチェーンの相互運用

コスモスのプロジェクトが取り組む課題の一つに、独立したブロックチェーン間の相互運用性(インターオペラビリティ)を実現するというものがあります。相互運用性とは、例えばビットコインやイーサリアムなどの独立したブロックチェーンをコスモスネットワークに接続することで、価値の交換やコミュニケーションなどを可能とすることを意味します。
コスモスはブロックチェーンの相互運用性を実現することでブロックチェーン間の障壁を取り除き、「Internet of Blockchains」の構築を目指しています。

Delegated Proof of Stake(DPoS)

コスモスエコシステムではコンセンサス・アルゴリズム(合意形成の仕組み)にProof of Stake(PoS)の仕組みを応用した「Delegated Proof of Stake(DPoS)」を採用しています。

通常のProof of Stake(PoS)はトークンの保有量を基準にブロックを生成する権利が付与されるという仕組みです。トークンを多く保有することでブロック生成の権利が割り当てられる確率が高くなります。

一方Delegated Proof of Stake(DPoS)では、
自身のトークン保有量
他のトークン保有者からの委任された票
の合計数で、ブロックの生成者が選ばれます。
Delegated Proof of Stake(DPoS)のコンセンサス・アルゴリズムでは、トークンの保有者に対し保有量に応じた投票権が与えられます。保有者はその票を自身が推薦する相手(ノード)に投票することで、ブロック生成の権利を委任することができます。
なおコスモスエコシステムの場合、自身のトークン保有量と他のトークン保有者から委任された票の合計上位125位までのノードが、ブロックの生成に参加することができます。

コスモスとATOMの今後

コスモスとATOMの今後

コスモスSDKを利用して開発されたアプリケーションおよびプロジェクトは、2021年7月14日時点で240以上存在します。コスモスSDKを利用して開発されたプロジェクトにはどのようなものが存在するのか、2つご紹介します。

Kava

KavaはクロスチェーンのDeFi(分散型金融)プラットフォームです。世界中どこにいても誰もがオープンにアクセスできる金融サービスの提供を目指しています。
Kavaでは他のブロックチェーンの独自トークン(暗号資産)を担保に、ステーブルコイン「USDX」を発行することができます。USDXは、
ブロックチェーン上での支払い
暗号資産の価格変動リスクのヘッジ
などで利用されます。

Terra Money

Terra Moneyは、2019年4月にローンチした韓国発のステーブルコインプロジェクトで、アジア圏でのEコマース活用を目指しています。
Terra Moneyは韓国で多く利用されており、例えば、
主要Eコマースの「TMON」
宿泊・予約アプリケーション「Yanolja」
ファッション専門販売サイト「Musinsa」
などで導入されています。

このほかにもコスモスSDKを利用したプロジェクトの開発が進められています。これらのプロジェクトがコスモスネットワークに接続されることで、ブロックチェーン間の相互運用が可能となり、コスモスが目指す「Internet of Blockchains」が実現されると期待が集まります。

まとめ

この記事ではコスモスのプロジェクトとエコシステム、コスモスハブのネイティブトークンであるATOMについてご紹介しました。

コスモスは「Internet of Blockchains」を実現することを目標としたプロジェクトです。今後より多くのブロックチェーンがコスモスネットワークに接続され、独立したブロックチェーン間での相互運用性が実現されることに期待が集まります。

またコスモスエコシステムの中心として機能するブロックチェーン「コスモスハブ」で流通するネイティブトークン「ATOM」は、2021年7月14日よりGMOコインで取り扱いが始まりました。コスモスのプロジェクトやエコシステムに興味がある方は、お取引を検討してみてはいかがでしょうか。

ATOMの価格・相場・チャート