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ビットコインアドレスの仕組みと使い方について

最終更新日:2022/08/09

ビットコイン(BTC)の取引で重要な役割を担っているのが、ビットコイン(BTC)の口座番号とも呼ばれる「ビットコインアドレス」です。ビットコインアドレスの構造はとても複雑で、ブロックチェーン技術で固く守られています。しかし、安全にビットコイン(BTC)の取引をするためには、ビットコインアドレスの仕組みを正しく理解しておくことも必要です。そこで今回はビットコインアドレスについて、その仕組みからビットコイン(BTC)の送付時の注意点など、ビットコイン(BTC)の取引をする際に知っておかなければならないポイントをご紹介します。

ビットコインアドレスとは

ビットコインアドレスは、ビットコイン(BTC)の取引をする際に受け渡しをする「口座番号」のようなものです。銀行で送付するときは相手の預金口座番号を指定しますが、それと同じように、ビットコイン(BTC)を送付するときは相手のビットコインアドレスを指定します。
また、ブロックチェーン上で取引の履歴を調査する際、ビットコインアドレスから詳細をたどることができます。

ビットコインアドレスの仕組み

一般的なビットコインアドレスは27文字から34文字の英数字を組み合わせたもので、一般的なIDなどと違って判読が困難な文字列でできています。これは、自分しか知らない「秘密鍵」から生成した「公開鍵」に一方向の暗号学的ハッシュ化を施すことで生成されているためです。

秘密鍵とは

秘密鍵とは自分だけが知っている鍵のことで、ビットコインアドレスと秘密鍵の関係は、「預金口座と暗証番号」や「小切手と署名」のような関係に似ています。
ビットコイン(BTC)ではそれぞれの取引データを「トランザクション」と呼びますが、ビットコイン(BTC)を支払うときに秘密鍵による署名が必要になります。そのため、秘密鍵を第三者に知られてしまうと、自分のビットコインアドレスで管理しているビットコイン(BTC)が不正に引き出されてしまう可能性があります。預金口座の暗証番号と同様に、秘密鍵は大切に保管しておかなければなりません。

公開鍵とは

公開鍵は、鍵ペアのうち他者に公開しても良い鍵のことで、ビットコイン(BTC)を受け取るときに必要です。

ビットコインアドレスの種類

一般的なビットコインアドレスは「1」や「3」から始まりますが、そのほかにもいくつか種類があります。ビットコイン(BTC)の取引をする前に、その違いを理解しておきましょう。

「1」から始まるアドレス
ビットコインアドレスからビットコイン(BTC)を取り出す際、秘密鍵による署名が一つ必要なアドレスです。


「3」から始まるアドレス
ビットコインアドレスからビットコイン(BTC)を取り出す際、秘密鍵による署名が複数必要なアドレスです。一つの秘密鍵が漏えいしても別の秘密鍵がないとビットコイン(BTC)にアクセスできないため、セキュリティが高くなります。


「bc1」から始まるアドレス
トランザクション(取引履歴)を圧縮して、データ量を小さくする技術「Segwit」に対応したウォレットで作成されたビットコインアドレスです。「bc1」で始まるアドレス宛ビットコイン(BTC)を送付する場合、送る側は「Segwit」に対応したアドレスから送らなければなりません。


「m」「n」から始まるアドレス
ビットコイン(BTC)を開発するための環境「テストネット」で作成されたビットコインアドレスです。テストネット上のビットコイン(BTC)は価値を持ちません。

ビットコインアドレスを守るブロックチェーン技術

ブロックチェーン上には、「どのビットコインアドレスに、いくらのビットコイン(BTC)が送付された」といった詳細なトランザクション(取引履歴)が記録され、世界中の人が見ることができます。そのため、ブロックチェーン上のビットコインアドレスをたどれば、取引履歴が誰でも確認できる仕組みになっています。

一方、ブロックチェーン上で取引履歴は確認できても、個々のビットコインアドレスが誰のものなのかは判別できません。これがビットコイン(BTC)での取引が匿名性をもっていると表現されるゆえんです。

こうした高度に暗号化されたブロックチェーン技術によって、ビットコインアドレスの高い秘匿性が保たれています。

ビットコインアドレスの特徴

ビットコインアドレスの取得方法と取得場所

ビットコインアドレスは、暗号資産(仮想通貨)取引所や販売所が提供するウォレット、スマートフォンでアプリをダウンロードすると使えるウォレットサービス、USBのような専用端末で管理するハードウェアウォレットなどから取得できます。

これからビットコイン(BTC)の取引を始める人におすすめなのは、暗号資産(仮想通貨)取引所や販売所に口座を開設してビットコインアドレスを取得する方法です。スマートフォンやパソコンの案内画面から、提供されたウォレットを通して簡単に取得できます。

ビットコイン(BTC)の取引が増えてくると、保管用のウォレットや買い物用のウォレットなど保管先が増えてきます。その際は、それぞれのウォレットサービスを通して、ビットコインアドレスが取得できます。

このように、ビットコインアドレスは複数所有でき、目的に合わせて使い分けることが可能です。

ビットコインアドレス取得の流れ

ビットコインアドレスが生成されるまでの流れを見ていきましょう。

まず、乱数生成器によって、秘密鍵の原型になる乱数が生成されます。乱数から秘密鍵が生成されると、その秘密鍵を使って公開鍵が生成されます。そして、生成された公開鍵から、ビットコインアドレスが生成されます。

こうした一連の作業はウォレットが自動的に行い、ビットコインアドレスと秘密鍵・公開鍵は入金のたびに新しく作られ、ウォレットに次々と保存されていきます。そして、ビットコイン(BTC)を利用するときには、保存されているビットコインアドレスから紐づけられた秘密鍵を使って取り出していきます。

ビットコインアドレスの使い方

ビットコインアドレスの使い方と流れ・注意点

ビットコイン(BTC)を受け取るときや送るときに使われるのが、ビットコインアドレスです。それぞれの使い方と流れを見てみましょう。

ビットコイン(BTC)を受け取る場合

ビットコインアドレスをメールなどで相手に伝え、送付してもらえばビットコイン(BTC)を受け取れます。スマートフォン等なら、QRコードを使って送付してもらうこともできます。

ビットコインアドレスやQRコードは、受け取りたいウォレットサービスの「入出金」アイコンをクリックするなど、所定の操作をすると取得できます。ただし、ビットコイン(BTC)を間違えたアドレスに送付し、その取引が承認されるとキャンセルできません。くれぐれも、間違えたビットコインアドレスを相手に伝えないように注意しましょう。

また、ビットコインアドレスの秘密鍵の管理にも注意が必要です。アドレスにビットコイン(BTC)が送られてきても、秘密鍵がないとビットコインアドレスからビットコイン(BTC)を取り出せません。そのため、秘密鍵をうっかり消去してしまうと、そのビットコイン(BTC)が使えなくなります。また、秘密鍵がハッキングなどによって第三者に知られてしまうと、気づかないうちにビットコイン(BTC)が盗まれてしまうこともあります。受け取ったビットコイン(BTC)を保管する場合には、秘密鍵の管理を徹底することが大切です。

ビットコイン(BTC)を送る場合

ビットコイン(BTC)を送る場合、使っているウォレットの送付機能を使いますが、このときに使うのは相手から伝えられたビットコインアドレスです。

操作方法はウォレットサービスによってそれぞれ違いますが、「送付」などのアイコンをクリックすれば、送り先のビットコインアドレスの入力欄が出てきます。そこに教えてもらったビットコインアドレスを入力しましょう。このときも、入力の間違いを防ぐため、ビットコインアドレスをコピーして貼り付ける機能を使うとよいでしょう。

ビットコインアドレスの注意点

ビットコインアドレスは毎回変わる?

自分のウォレットへビットコイン(BTC)を移動させるとき、以前に使ったアドレスと違うことに気づいた方がいらっしゃるかもしれません。中には、ビットコイン(BTC)を受け取るたびに新しいアドレスを自動で生成するウォレットもあるため、わずらわしさを感じているかもしれません。

しかし、以下のような観点からビットコイン(BTC)は取引ごとにビットコインアドレスを変えたほうがいい場合もあります。

ユーザーのプライバシーを守るため

ブロックチェーン技術では、個々のトランザクション(取引履歴)が広く公開されており、ビットコインアドレスが分かればオンライン上で取引履歴を簡単に検索できます。そして、ビットコインアドレスに紐づけられた履歴から、ビットコイン(BTC)の取引件数や受信回数、取引相手などの情報を入手し、それらをもとに特定の人が保有するビットコイン(BTC)の量をある程度調べることができてしまいます。

一方、ビットコインアドレスを頻繁に変えていると、公開されている情報からビットコイン(BTC)の保有量を調べるには、全てのビットコインアドレスを検索しなければなりません。そのため、特定の人が保有するビットコイン(BTC)の量を推測することは、とても困難になります。

このように、自分の個人情報を守るためには、ビットコインアドレスの長期使用は避け、取引ごとにビットコインアドレスを変えることが大切です。

ハッキングのターゲットになるリスクを回避するため

大量のビットコイン(BTC)を取引したビットコインアドレスや、長期間にわたって取引を繰り返しているビットコインアドレスは、大量のビットコイン(BTC)を保有している可能性があるため、ハッカーに狙われやすくなります。

ブロックチェーンのセキュリティは強固ですが、ハッキングのリスクはゼロではありません。ハッカーに狙われるリスクを回避するためにも、ビットコインアドレスは取引ごとに変えるのが理想的です。

間違ったアドレスに送付したら返ってこない可能性がある?

ビットコイン(BTC)を送付する際、最も気を付けなければならないのがビットコインアドレスの入力間違いです。

銀行預金の場合、口座番号を間違えてお金を振り込んでも、手続きをすれば自分の手元に戻すことができます。しかし、ビットコイン(BTC)は管理者が不在のため、アドレスを間違えてビットコイン(BTC)を送付すると、戻ってこない可能性が高いです。これからビットコイン(BTC)の取り扱いを始めようとお考えの方は、誤送付のリスクを正しく認識しておきましょう。

ビットコイン(BTC)の誤送付で想定される具体的なケースは、次の二つです。

1 送付が実際に行われていない場合

ビットコインアドレスの入力を間違えても、そのアドレスが存在しなければ、無効なアドレスへの送付として「送付不可」となり、ビットコイン(BTC)が戻ってきます。

2 送付が実際に行われている場合

間違えて入力したビットコインアドレスが実在するケースや、別の人のビットコインアドレスを入力したケースはビットコイン(BTC)の取引が成立してしまいます。
このとき、送付先が同じ取引所であれば、取引所に連絡をするとアドレスから個人を特定し、間違って入金したビットコイン(BTC)を取り戻してくれる場合があります。しかし、それ以外のアドレスは個人を特定するのが非常に困難なため、取引が成立すると取り戻すのはほぼ不可能です。

誤送付を防ぐには、パソコンのコピー機能を使ってビットコインアドレスを入力する方法や、QRコードの読み取りができる端末を使う方法が有効です。しかし、稀ではありますが、パソコンがマルウェアに感染し、ビットコインアドレスをコピー&ペーストする際に、別のアドレスに書き換えられてしまったという例もあります。送付を実行する前に、正確なビットコインアドレスが入力されているのか目視でチェックすることも大切です。

まとめ

ビットコインアドレスの仕組みや使い方、秘密鍵や公開鍵が担っている役割など、ビットコイン(BTC)を取引するために知っておきたいポイントについてご紹介しました。ビットコイン(BTC)の技術基盤となっているブロックチェーン技術はとても強固ですが、完璧ではありません。今回ご紹介した内容を参考にして、ビットコイン(BTC)の取引を安全に進めていきましょう。

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ビットコインアドレスの仕組みと使い方に関するよくある質問

Qビットコインアドレスとは何ですか?
Aビットコインアドレスとは、ビットコイン(BTC)の送付、預入れを行う際に利用する、英数字からなる文字列です。銀行口座の「口座番号」のような役割があります。
詳しくはこちらをご参照ください。
Qビットコインアドレスはどのような方法で取得できますか?
Aビットコインアドレスは、GMOコインなどの暗号資産取引所で口座開設することで取得できます。
詳しくはこちらをご参照ください。
Qビットコイン(BTC)の送付はどのようにすれば良いですか?
Aビットコイン(BTC)を送付する際は、ウォレットの送付機能を使用します。
GMOコインでは、以下5ステップでビットコイン(BTC)を送付できます。
1.【会員ホーム】-【入出金】-【暗号資産】をクリック
2.ビットコインを選択し、タブ【送付】をクリック
3「宛先の選択」から、送付先のビットコインアドレスを入力
4.「送付数量」を入力
5.「2段階認証コード」を入力し、[確認画面]をクリックして送付を実行
詳しくはこちらをご参照ください。
Q誤ったビットコインアドレス宛にビットコイン(BTC)を送付した場合、どうなりますか?
Aビットコインアドレスを間違えてビットコイン(BTC)を送付した場合、ビットコイン(BTC)は戻ってこない可能性があります。
詳しくはこちらをご参照ください。

暗号資産マーケットニュース(提供:ウエルスアドバイザー)