ダイ(DAI)とは

ダイ(DAI)はERC-20規格の暗号資産(仮想通貨)で、イーサリアムブロックチェーン上で構築されている分散型アプリケーション「Makerプロトコル」を通じて発行されます。

この記事では、これからダイ(DAI)の購入を検討している方に向けて、ダイ(DAI)の概要、仕組み、今後についてご紹介します。

ダイ(DAI)とは

ダイ(DAI)とは

ダイ(DAI)はイーサリアムブロックチェーン上で稼働する暗号資産(仮想通貨)です。
ダイ(DAI)は1DAI = 1米ドルを目標価格として設定しており、実際に1米ドル付近で価格が推移していることから、暗号資産(仮想通貨)型ステーブルコインと認識されています。

2022年2月16日現在、ダイ(DAI)は時価総額約1兆2,014億円、時価総額ランキング19位の暗号資産(仮想通貨)です。

MakerDAO

MakerDAOは「世界経済に金融の安定性と透明性をもたらす」ことを目的としたプロジェクトで、米ドル価格に擬似的に連動する暗号資産(仮想通貨)であるダイ(DAI)を誰でも発行できるプラットフォームを提供しています。

MakerDAOプロジェクトでは、ダイ(DAI)以外にもメイカー(MKR)という暗号資産(仮想通貨)が利用されています。メイカー(MKR)は、ダイ(DAI)を発行・管理する分散型アプリケーション「Makerプロトコル」のガバナンストークンとしての役割を担っています。

メイカー(MKR)について詳しくは以下の記事をご確認ください。
https://coin.z.com/jp/corp/information/mkr/

発行方法

ダイ(DAI)の発行方法は、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などの暗号資産(仮想通貨)とは異なります。

例えばビットコイン(BTC)の場合、新規発行はマイニングによって行われます。マイニングとは取引データ(トランザクション)を承認して新しいブロックを生成する作業のことで、ビットコイン(BTC)ではマイナー(マイニングを行うノード)がブロックを生成することにより新規発行が行われます。

一方ダイ(DAI)の場合、新規発行はMakerプロトコル内にあるスマートコントラクト「Maker Vault」を通して行われます。ダイ(DAI)の発行を希望するユーザーはMakerプロトコルにアクセスし、ETH、BAT、USDCなど、プロトコルにより承認されたイーサリアムベースの資産を担保としてロックすることでダイ(DAI)を発行することができます。

ダイ(DAI)の仕組み

ダイ(DAI)の仕組み

ダイ(DAI)は目標価格である1DAI = 1米ドルを実現するために、以下の仕組みを導入しています。

過剰担保:

ダイ(DAI)は過剰担保を前提として発行される暗号資産(仮想通貨)です。例えば1万円相当のダイ(DAI)を発行したい場合、1.5万円〜2万円相当のプロトコルにより承認された暗号資産(仮想通貨)を担保としてロックする必要があります。
この過剰担保という仕組みにより、担保となる暗号資産(仮想通貨)の価格が下落した場合でも、ダイ(DAI)の価値を下回る事なく、価格を安定的に保つことができます。

強制清算:

ダイ(DAI)は過剰担保を前提に発行されているものの、担保となる暗号資産(仮想通貨)の価格が大幅に下落した場合、ダイ(DAI)の価値を下回る可能性があります。
そのため、Makerプロトコルでは担保となる暗号資産(仮想通貨)の価値が一定の水準を下回った場合、強制的に清算するという仕組みが導入されています。

メイカー(MKR)の追加発行による資金調達:

ごく短い期間で担保となる暗号資産(仮想通貨)の価格が急落した場合、強制清算が間に合わず、担保資産がダイ(DAI)の価値を下回ることがあります。
その場合、Makerプロトコルのガバナンストークンであるメイカー(MKR)が追加発行され、担保資産価値の不足分を補填することもあります。

これらの仕組みにより、ダイ(DAI)の価格は実際に目標価格の1米ドル付近で安定的に推移していますが、担保となる暗号資産(仮想通貨)が短期間で急落した場合には目標価格を下回る可能性がありますので、十分注意が必要です。

ダイ(DAI)の今後

ダイ(DAI)の今後

ダイ(DAI)は現在、ウォレットやDeFiプラットフォーム、ゲームなど、すでに400以上のアプリやサービスで利用されています。
例えば、2017年12月に創業された世界最大級のNFT(Non-Fungible Token)マーケットプレイス「OpenSea」では、NFTを購入する際の支払い方法のひとつにダイ(DAI)が採用されています。

この他にも、暗号資産(仮想通貨)を決済方法として採用しているサービスや、イーサリアムブロックチェーンを利用したアプリケーションの開発が進められていることから、ダイ(DAI)の利用環境拡大が期待されます。

まとめ

この記事ではダイ(DAI)の概要、仕組み、今後についてご紹介しました。

ダイ(DAI)は、米ドルにソフトペッグした、暗号資産(仮想通貨)型ステーブルコインです。ダイ(DAI)の価格は、担保となっている暗号資産(仮想通貨)の価格がごく短期間に大幅に下落するなどの例外的なケースを除いて、安定的に推移すると考えられており、法定通貨と同じように決済や送付などに利用される場合もあります。

今後、暗号資産(仮想通貨)による決済や送付を予定されている方は、ダイ(DAI)の利用を検討してみてはいかがでしょうか。

DAIの価格・相場・チャート