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ビットコイン(BTC)などの暗号資産(仮想通貨)にかかる税金とは?確定申告の方法と合わせて解説

最終更新日:2021/02/04

確定申告という言葉を知っていても、具体的になにをすればいいのかご存知ない方もいらっしゃるのではないでしょうか?ビットコイン(BTC)をはじめとする暗号資産(仮想通貨)の取引により、一定以上の利益が出た場合は確定申告が必要になります。では、確定申告とはどのような仕組みなのでしょうか?確定申告について、その仕組みと、暗号資産(仮想通貨)取引で利益を得た際の確定申告の有無、税金の計算方法などをみていきましょう。

確定申告とは?

そもそも確定申告とはどのような仕組みなのでしょうか?確定申告とは何か、またどのような人が確定申告を行う必要があるのかみていきましょう。

確定申告が必要な人とは

所得税の確定申告とは、毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得の金額とそれに対する所得税の額を計算し、源泉徴収された税金や予定納税額などがある場合には、その過不足を精算する手続きです。なお、多くの会社員の場合、勤務先が行う年末調整によって納税手続きが完了するため、確定申告の必要はありません。ただし、会社員の人で以下の項目のうち、ひとつでも該当する場合は確定申告が必要となります。

給与の年間収入金額が2,000万円を超える人
1ヵ所から給与の支払いを受けている人で、給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人
2ヵ所以上から給与の支払いを受けている人で、主たる給与以外の給与の収入金額と給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人
同族会社の役員などで、その同族会社から貸付金の利子や資産の賃貸料などを受け取っている人
災害減免法により源泉徴収の猶予などを受けている人
源泉徴収義務のない者から給与等の支払いを受けている人
退職所得について正規の方法で税額を計算した場合に、その税額が源泉徴収された金額よりも多くなる人(※)
(※)”No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人”.国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1900.htm,(参照 2019-12-02)

確定申告はいつ行うの?

では、確定申告はいつ行えば良いのでしょうか?

確定申告は、基本的に毎年2月16日~3月15日の期間内に行います。ただし、それぞれの日付が土曜・日曜・祝日の場合、期限は翌日に振替となります。例えば2020年2月16日は日曜日のため、2020年2月17日(月)から申告することができます。
また、確定申告は以下3つの方法から、いずれかを選択して行います。
e-Taxで申告する:インターネット上で確定申告を行う方法です。e-Taxでの申告には、マイナンバーカードと、カード情報の読み取りに必要な「ICカードリーダライタ」が必要となります。
税務署に送付する:郵便又は信書便により、住所地等の所轄税務署に申告書を送付する方法です。通信日付印が提出日とみなされます。
税務署に持参する:住所地等の所轄税務署の受付に申告書を持参する方法です。税務署の時間外収集箱への投函により提出することもできます。
平日に所管税務署に持参することが難しい場合は、インターネットで確定申告を行う方法もありますので、知っておくと良いでしょう。

ビットコイン(BTC)の取引で利益が生じた場合、確定申告は必要か?

では、ビットコイン(BTC)などの暗号資産(仮想通貨)による取引を行うことで利益が生じた場合、確定申告を行う必要があるのでしょうか?そして、もし確定申告を行わなかった場合どのような罰則が定められているのでしょうか。

ビットコイン(BTC)などの暗号資産(仮想通貨)取引によって利益を得た場合、確定申告は必要?

ビットコイン(BTC)をはじめとする暗号資産(仮想通貨)取引によって利益が生じた場合、その利益が一定の水準を超えると、確定申告を行う必要があります。確定申告義務の有無は、他の要件で確定申告義務が発生しない限り、給与所得のある会社員の場合と、給与所得のない人の場合でそれぞれ異なります。
給与所得のある会社員:ビットコイン(BTC)などの暗号資産(仮想通貨)の取引で、年間20万円を超える利益が生じた場合は確定申告が必要。
給与所得がない人:ビットコイン(BTC)などの暗号資産(仮想通貨)によって生じた利益並びに給与所得及び退職所得以外の所得金額の合計が年間38万円を超える場合は確定申告が必要。

確定申告をしないとどうなるのか?

給与所得のある会社員が、ビットコイン(BTC)の取引で20万円超の利益を得た場合、確定申告を行う必要が生じますが、仮に確定申告を行わなかった場合、以下の罰則が課せられる場合があります。なお、これらの課税については税務当局によって判断されます。
延滞税:決められた期日までに税金が納付されなかった場合、納税期限日の翌日から納付するまでの日数に応じて利息が発生します。
無申告加算税:確定申告書を期日までに提出しなかった場合、納付する税金に加えて支払う必要のある税金が発生します。無申告加算税は、納付すべき税額によって異なります。50万円までは15%、50万円を超える場合は、超えた部分に対して20%の割合を乗じて計算した金額となります。
なお、期限内に確定申告を行うことを忘れてしまっても、後日申告ができる場合があります。。これは「期限後申告」と呼ばれ、税務署の調査を受ける前に申告した場合、無申告加算税のうち5%が軽減されます。

ビットコイン(BTC)の取引で得た利益に対する税金の計算方法

ビットコイン(BTC)などの暗号資産(仮想通貨)の取引によって発生した利益は、原則として「雑所得」に分類されます。また雑所得には、所得が増えると適用される税率も高くなる「累進課税制度」が適用されます。累進課税制度による所得税がどのような計算方法で算出されるのか、具体例とともにみていきましょう。

暗号資産(仮想通貨)の取引で発生した利益に対する税金の計算方法

所得税はどのような計算方法で算出されるか、会社員Aさんがビットコイン(BTC)で売却益を得たケースを例としてみていきましょう。

※以下例示では所得税額のみを計算しており、復興特別所得税額および住民税額の計算は行なっておりません。

例)会社員Aさん
給与所得:600万円
雑所得:100万円
所得控除額:100万円

①給与所得の算出
600万円 -(600万円 × 20% + 54万円)= 426万円

②合計所得金額の算出
426万円 + 100万円(雑所得)= 526万円

③課税所得金額の算出
526万円 - 100万円(所得控除額)= 426万円

④所得税額の算出
426万円 × 20% - 42万7,500円 = 42万4,500円

以上のように、会社員Aさんの場合は42万4,500円が所得税額となります。
なお、所得税の税率、および税率ごとの控除額は国、税庁の「No.2260 所得税の税率」に掲載されています。(※)

(※)”No.2260 所得税の税率”.国税庁.
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm,(参照 2019-12-02)

必要経費の計上

収入を得るために必要な経費のことを「必要経費」と言います。例えば、以下のような支払いについては必要経費として認められる可能性があります。
取引に使用するパソコンやパソコンのパーツ
ハードウェアウォレット
インターネットの通信料金
スマートフォンの通信料金
暗号資産(仮想通貨)に関する書籍やアプリの利用料金
なお、個々の経費が必要経費に該当するかどうかは個別具体的に判断されますので、実際の申告にあたっては最寄りの税務署または税理士などの専門家に相談すると良いでしょう。

ビットコイン(BTC)の取引で発生した利益が課税対象とならないケース

では、ビットコイン(BTC)などの暗号資産(仮想通貨)の取引で発生した利益は、どのようなケースにおいて課税対象外となるのでしょうか?

ここでは、例として2つのケースをみていきましょう。

現金で購入し、保有し続ける

ビットコイン(BTC)などの暗号資産(仮想通貨)によって生じる利益が課税対象となる代表的な例として以下の内容があげられます。
暗号資産(仮想通貨)を売却する
暗号資産(仮想通貨)で買い物をする
暗号資産(仮想通貨)で他の暗号資産(仮想通貨)を購入する
マイニングに参加して報酬を受け取る
上述の通り、売却による利益は課税の対象となりますが、現金による購入のみでは対象とはなりません。例えば、ビットコイン(BTC)を1BTC=80万円で購入し、その後1BTC=100万円に価格が上昇したとします。この場合、購入したビットコイン(BTC)に対し20万円の含み益が生じますが、売却して利益を確定させた訳ではありませんので、含み益の状態では課税対象とはなりません。しかし、ビットコイン(BTC)を売却した場合は、20万円の利益が確定し、その利益は課税の対象となります。

売却益などで得た雑所得が確定申告不要な金額である場合

会社員など給与所得のある人は、暗号資産(仮想通貨)の取引などで得た所得が20万円以下の場合、原則として確定申告は不要となります。ただし、暗号資産(仮想通貨)取引で得た利益は原則として「雑所得」に分類されるので注意が必要です。それだけではなく、例えば「アフィリエイト報酬」や「せどりで得た利益」なども雑所得に分類されます。雑所得の合計金額が20万円以下の場合、他の要件で確定申告義務が発生しない限り、確定申告が不要となりますので、雑所得に分類される所得が複数ある人は気をつけましょう。

まとめ

確定申告とはどのようなものなのか、ビットコイン(BTC)を例にあげて解説しました。会社員でも確定申告が必要になるケースはありますので、ビットコイン(BTC)などの暗号資産(仮想通貨)の取引で利益が生じた際は、確定申告を行う必要があるか確認しましょう。

また、万が一確定申告を行う期限内に申告することを忘れてしまった場合でも、期限後に申告することができる場合があります。申告漏れが判明した際は、期限後申告が可能かどうか、すみやかに税務署に確認しましょう。

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ビットコイン(BTC)の確定申告に関するよくある質問

Q確定申告とは何ですか?
A所得税の確定申告とは、毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得の金額とそれに対する所得税の額を計算し、源泉徴収された税金や予定納税額などがある場合には、その過不足を精算する手続きです。
詳しくはこちらをご参照ください。
Qビットコイン(BTC)の取引で利益を得た場合、確定申告は必要ですか?
Aビットコイン(BTC)の取引によって利益を得た場合、その利益が一定の水準を超えると、確定申告が必要となります。
詳しくはこちらをご参照ください。
Qビットコイン(BTC)の取引によって利益が発生し、確定申告を行う必要があるにも関わらず確定申告を行わなかった場合どうなりますか?
A確定申告を行う必要があるにも関わらず、確定申告を行わなかった場合、以下の罰則が課せられる場合があります。
・延滞税
・無申告加算税
詳しくはこちらをご参照ください。
Qビットコイン(BTC)の取引で発生した利益が課税対象にならないケースはありますか?
Aビットコイン(BTC)の取引で発生した利益が一定の水準以下だった場合、原則として確定申告は不要となります。
ただし、ビットコイン(BTC)の取引で得た利益は「雑所得」に分類されるため、他にも雑所得に分類される利益がある場合、注意が必要です。
詳しくはこちらをご参照ください。

暗号資産マーケットニュース(提供:ウエルスアドバイザー)