先週の振り返り
[ドル円]
- 米連邦公開市場委員会(FOMC)でのタカ派的利下げに続き、日銀金融政策決定会合で利上げが見送られたほか、植田日銀総裁が追加利上げに慎重な姿勢を示したことを受けて、153.16円から157.93円まで急伸した
[ユーロドル]
- FOMC後の米金利急騰につれて、1.0534ドルから1.0344ドルまで下落した
[豪ドル円]
- コモディティ価格が軟調な動きを示したことで、資源国通貨がほぼ全面安となった
- 対円では日銀の利上げが先送りされたことなどから、行って来いの動きだった
[南ア・ランド円]
- 対ドルでは軟調な動きとなったが、対円では日銀の早期利上げ期待が後退したことから下落後は買戻しが入った
[ポンド円]
- 中日米金融政策イベントにはドル買い・円売りで反応し、一時199円手前まで上昇した
- イングランド銀行の政策発表後にポンドは一時売りに押されるも反応は限定的だった
[加ドル円]
- ドル/加ドルは2020年3月以来の加ドル安となる1.44加ドル台半ばまで加ドル安が進んだが、加ドル円は109円後半まで強含んだ。
今週の見通し
[ドル円]
- クリスマス週で閑散取引の中、植田日銀総裁の講演や日銀金融政策決定会合(18-19日)の主な意見で、来年の追加利上げの時期を探る展開となる
- ドル高・円安に拍車がかかりつつあるが、歯止めをかける要因としては、トランプ次期米大統領による円安牽制発言や本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入があげられる
[ユーロドル]
- バイル新仏首相による予算案の採決やウクライナ戦争の動向に注意。極右政党・国民連合の事実上の代表を務めるルペン氏は、予算案への条件付きの支持を表明しているものの、年末までに暫定予算が成立しなければ、ユーロの下値リスクが高まる
- ドイツとフランスの政局への警戒感や、トランプ関税により欧州全体の景況感悪化と物価上昇懸念が高まっているなか、ECBの追加利下げへの観測がユーロの上値を抑えている
[豪ドル円]
- 閑散な取引になりそうだが、対ドルでは上値が重く、対円ではもみ合いを予想
- 豪準備銀行(RBA)理事会の議事要旨で、RBAのタカ派スタンスが弱まったことが示されれば、豪ドルは更に下押しする可能性がある国の景気浮揚策は好材料だが、RBAのタカ派姿勢後退や人民元安容認が重し
- 1月29日発表の豪州10-12月期CPIでは市場の流れが変わる可能性にも留意
[南ア・ランド円]
- もみ合いとなりそう。米国の利下げ観測が後退している中で、先週発表された南アのインフレ指標は軒並み市場予想よりも下振れする結果となった
- 南アと米国の金融政策の方向性の違いがドル買い・ZAR売りを促しそうだが、中国経済の回復期待がBRICS諸国にとっては支えになり、ZARが一方的には売られにくい要素にも
[ポンド円]
- イングランド銀行(英中銀、BOE)が来年2月の次回会合での利下げ観測は完全に払しょくされたわけではないが、物価上昇や賃金伸び加速を受けて、市場では来年の利下げ予想が4回から2回に減少しており、ポンドは底堅い動きが続きそう
[加ドル円]
- 上値の重い動きが続きそう
- カナダ中銀(BOC)が12月会合で「今後の利下げはより緩やかなペースになる」とハト派姿勢を弱めたが、来年も利下げサイクルは続くと見込まれる
- トランプ次期米大統領の下で米国との関税合戦への懸念も引き続き加ドルの重しとなる
今週の想定レンジ
[ドル円]155.00-160.00円
[ユーロドル]1.0100-1.0500ドル
[豪ドル円]96.00-100.00円
[南ア・ランド円]8.30-8.70円
[ポンド円]195.00-201.00円
[加ドル円]108.00-111.50円
今週注目の経済指標
12月23日(月)
16:00 英国 7-9月期四半期国内総生産(GDP、改定値)(前期比)
16:00 英国 7-9月期四半期国内総生産(GDP、改定値)(前年同期比)
22:30 カナダ 10月月次国内総生産(GDP)(前月比)
22:30 カナダ 10月月次国内総生産(GDP)(前年同月比)
22:30 米国 11月耐久財受注(前月比)
22:30 米国 11月耐久財受注・輸送用機器除く(前月比)
00:00 米国 11月新築住宅販売件数(前月比)
00:00 米国 11月新築住宅販売件数(年率換算件数)
00:00 米国 12月消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)
12月24日(火)
08:50 日本 日銀・金融政策決定会合議事要旨
09:30 豪州 豪準備銀行(中央銀行)、金融政策会合議事要旨公表
00:00 米国 12月リッチモンド連銀製造業指数
12月25日(水)
- 日本 植田和男日銀総裁、発言
12月26日(木)
20:00 トルコ トルコ中銀、政策金利
22:30 米国 前週分失業保険継続受給者数
22:30 米国 前週分新規失業保険申請件数
12月27日(金)
08:30 日本 11月失業率
08:30 日本 11月有効求人倍率
08:30 日本 12月東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く)(前年同月比)
08:50 日本 11月鉱工業生産・速報値(前月比)
08:50 日本 11月鉱工業生産・速報値(前年同月比)
本レポートは2024年12月21日12時00分ごろ執筆したものです。