先週の振り返り
・USDJPYは堅調。介入警戒感や弱い米経済指標を意に介さず162円手前まで上昇した。
・英総選挙は予想通りの結果となった。労働党の大勝を受けてポンド買いが強まり、GBPJPYは円独歩安も相俟って13連騰。
・フランス総選挙は事前予想通りにルペン氏率いる国民連合(以降RN)が勝利。ただし過半数獲得とはならなかったため、決選投票が実施される。
・米経済指標はJOLTSこそ予想を上回ったものの、ADP雇用統計やISM非製造業景況感指数、前週分新規失業保険申請件数は予想を下回った。ただ、対円でのドル売りは一時的に留まった。
・パウエルFRB議長はECBフォーラムに出席し「インフレ鈍化の道に戻っている」「予想外の労働市場の軟化は行動のきっかけになり得る」など、ハト派寄りの発言が目立った。
・トランプ氏vsバイデン大統領の第一回TV討論はトランプ氏に軍配。米民主党内ではバイデン大統領に撤退を求める声もあり、ハリス副大統領が新たな候補者となる可能性が浮上した。
今週の見通し
・USDJPYは引き続き円買い介入に警戒も、下げは押し目買いの好機か。米指標が予想を下回ってもドル売り円買いは限定的であり、節目やテクニカル的な水準では打診買いを検討したい。
・フランス総選挙の第一回投票は予想通りルペン氏率いるRNの大勝だが過半数には至らず。決選投票は7/7のため、先週同様に週明けのユーロの乖離には警戒したい。
・7/9,7/10の23時からは半期に一度のパウエルFRB議長による議会証言の実施が予定されている。先週のECBフォーラムではパウエル議長からハト派的発言があっただけに、同様の発言が見られるか注目したい。
・来週の注目は7/11の米6月CPIと7/12の7月ミシガン速報値。前回はどちらも予想を下回ったものの、FRB高官は依然としてインフレ率の高さを懸念している。インフレが持続的に鈍するのかを試すイベントとなりそうだ。
・英総選挙で労働党が14年振りに与党となったことでポンドへの追い風が吹いている。新首相に就任することが確実視されているスターマー氏はマニフェストに経済成長の重視やEUとの関係改善を公約に掲げており、今後のヘッドライン次第ではもう一段高ありそうだ。
7/8追記
フランス総選挙の決選投票は左派連合である新人民戦線(NFP)が事前予想を覆し勝利する見込み。ただし単独過半数を獲得するには至らず、どの政党も単独過半数に届かない状態(ハング・パーラメント)となる見込みから、政策運営が不安視され、週明けのユーロは下窓を空けてオープンした。
今週注目の通貨ペア
「GBPJPY」
・英総選挙は労働党が予想通りに過半数を獲得。英中銀もタカ派的見通しを維持しており、ポンド買いが期待できそうだ。
・米経済指標の予想下振れでも円買いは一時的となっているため、円の弱さが際立っている。
・日足一目転換線付近では買いが強い。押し目買いの目安となりそうだ。
戦略
節目の203.50円下抜けを撤退目処に、日足一目転換線の推移する204.10円で押し目買い。利益確定は7/3高値付近の206.15円をターゲットとする。
今週注目の経済指標
7月8日(月)
08:50 日本 5月国際収支・貿易収支
7月9日(火)
23:00 米国 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、発言
7月10日(水)
10:30 中国 6月消費者物価指数(CPI)(前年同月比)
11:00 NZ ニュージーランド準備銀行(RBNZ、NZ中央銀行)政策金利
23:00 米国 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、発言
7月11日(木)
08:50 日本 5月機械受注(前月比)
08:50 日本 5月機械受注(前年同月比)
15:00 ドイツ 6月消費者物価指数(CPI、改定値)(前月比)
15:00 ドイツ 6月消費者物価指数(CPI、改定値)(前年同月比)
15:00 英国 5月月次国内総生産(GDP)(前月比)
15:00 英国 5月鉱工業生産(前月比)
15:00 英国 5月鉱工業生産(前年同月比)
15:00 英国 5月製造業生産指数(前月比)
21:30 米国 6月消費者物価指数(CPI)(前月比)
21:30 米国 6月消費者物価指数(CPI)(前年同月比)
21:30 米国 6月消費者物価指数(CPIコア指数)(前月比)
21:30 米国 6月消費者物価指数(CPIコア指数)(前年同月比)
21:30 米国 前週分失業保険継続受給者数
21:30 米国 前週分新規失業保険申請件数
7月12日(金)
21:30 米国 6月卸売物価指数(PPI)(前月比)
21:30 米国 6月卸売物価指数(PPI)(前年同月比)
21:30 米国 6月卸売物価指数(PPIコア指数、食品・エネルギー除く)(前月比)
21:30 米国 6月卸売物価指数(PPIコア指数、食品・エネルギー除く)(前年同月比)
23:00 米国 7月ミシガン大学消費者態度指数・速報値
※本レポートは7/5(金)14:30頃作成したものです。
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