先週の振り返り
・USDJPYは堅調。先週高値(158.25円)を上抜け159円台前半まで上昇した。
・6/18発表の米5月小売は低調。予想を下回ったことで初動はドル売りが強まったものの、対円では押し目買いが根強かった。
・6/18の豪中銀政策金利発表は予想通り据え置きとなった。声明では再利上げを排除せず、インフレへの警戒感を示したことで豪ドル買いが強まった。
・6/19の英CPIは予想と同水準。初動はポンド買いが強まったものの、翌日の英中銀政策金利発表を控えて値動きは限定的。
・6/20の英中銀は予想通りに据え置き。投票配分は据え置き7票対利下げ2票と比較的タカ派な印象だったものの、声明では次回会合での利下げに含みを持たせたことでポンド売りで反応。もっとも、円も弱含んでいたことから対円での下げは限定的であった。
・6/20のNY時間に発表された米指標(新規失業保険申請件数、住宅着工件数、フィラデルフィア連銀製造業景気指数)は軒並み低調であったものの、米金利が反発を始めたことからからドル買いが強まり、先週高値を上抜けた。
・米財務省は外国為替報告書で、日本を「監視リスト」に追加したと公表。市場では「政府・日銀による為替介入はより困難になった」との見方から円売り・ドル買いが強まった。
今週の見通し
・USDJPYは円買い介入前後の高値と安値の78.6%戻しを達成。介入前の水準である160.16円が視野に入ってきた。引き続き円を買う材料は乏しく、高値更新は時間の問題か。
・ここ最近は米経済指標の下振れが目立つものの、USDJPYの下げは限定的となっている。9月利下げが確信的になるまでは指標の下振れが押し目になりそうだ。
・USDJPYが円買い介入前の高値に迫ってきたことで本邦当局から為替水準に対するコメントが増えつつある。米財務省が外国為替報告書で、日本を「監視リスト」に追加したことも相俟って円買い介入へのハードルは上がっており、中途半端な口先介入は押し目となりそうだ。
・米CPIとPPIが揃ったので6/28発表の米5月PCEコアデフレーターの数値が概ね明らかになってきた。FedWacherであるNSJ紙のNick記者によれば前月比で+0.08%〜+0.13%、前年比で+2.6%程度と、ともに4月よりも鈍化。ドル売り強まればUSDJPYの押し目買いを検討したい。
・フランスの総選挙絡みのヘッドラインには警戒したい。マクロン大統領率いる与党は第3党まで議席数を減らす見込み。1回目の投票は6/30に行われるため、選挙に絡んだヘッドラインで引き続きユーロの乱高下が予想される。
今週注目の通貨ペア
「USDJPY」
・低調な米経済指標が続くも下げればドル買いが根強い。
・米財務省が外国為替報告書で、日本を「監視リスト」に追加したことで円買い介入のハードルが更に上がった。
・5日移動平均線がサポートになっている。押し目買いの目安としたい。
戦略
6/18,19と下げ止まった水準を下抜ける157.50円を撤退目処に、5日移動平均線の推移する158.25円を目処に押し目買い。利益確定は円買い介入前の水準である160.10円付近に設定。
今週注目の経済指標
6月24日(月)
17:00 ドイツ 6月IFO企業景況感指数
6月25日(火)
21:30 カナダ 5月消費者物価指数(CPI)(前月比)
21:30 カナダ 5月消費者物価指数(CPI)(前年同月比)
22:00 米国 4月ケース・シラー米住宅価格指数(前年同月比)
23:00 米国 6月リッチモンド連銀製造業指数
23:00 米国 6月消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)
6月26日(水)
10:30 豪州 5月消費者物価指数(CPI)(前年同月比)
23:00 米国 5月新築住宅販売件数(前月比)
23:00 米国 5月新築住宅販売件数(年率換算件数)
6月27日(木)
18:00 ユーロ 6月経済信頼感
18:00 ユーロ 6月消費者信頼感(確定値)
20:00 トルコ トルコ中銀、政策金利
21:30 米国 1-3月期四半期GDP個人消費・確定値(前期比年率)
21:30 米国 1-3月期四半期コアPCE・確定値(前期比年率)
21:30 米国 1-3月期四半期実質国内総生産(GDP、確定値)(前期比年率)
21:30 米国 5月耐久財受注(前月比)
21:30 米国 5月耐久財受注・輸送用機器除く(前月比)
21:30 米国 前週分失業保険継続受給者数
21:30 米国 前週分新規失業保険申請件数
23:00 米国 5月住宅販売保留指数(前月比)
23:00 米国 5月住宅販売保留指数(前年同月比)
6月28日(金)
8:30 日本 5月失業率
8:30 日本 5月有効求人倍率
8:30 日本 6月東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く)(前年同月比)
15:00 英国 1-3月期四半期国内総生産(GDP、改定値)(前期比)
※本レポートは6/21(金)14:30頃作成したものです。
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