ビットコインの暴落から見る仮想通貨取引の本質

知っトク!お役立ち仮想通貨講座

福寄儀寛 - 2018年1月31日(水)

今回のコラムは、いち投資家として仮想通貨投資の本質について書きたいと思う。

2018年1月16日、ビットコイン価格は一時110万円という安値をつけ、2017年12月ピーク時の230万円より50%近くも下落した。本稿執筆時点で約120万円。半値戻しで一旦底をつけた、として再度上値をトライしに行くと考える人も多いが、私は更なる下値もありうると考えている。

2017年4月 ビットコインチャート

※GMOコイン仮想通貨現物売買・ビットコイン日足チャートより

なぜかというと、「仮想通貨投資はかなり特殊な投資」と考えているからだ。

そもそもであるが、私の考える『投資』は下記のいずれかが備わっているものであるべき、という信念がある。

投資を経済活動たらしめている一定のルールの存在

市場の安定性確保と投資家保護のための「一定の取引ルール」の存在

株式投資でいう空売りの規制やストップ安ストップ高、といったルールの存在がそれにあたる。過度な情報戦を抑制するためのインサイダー取引の禁止などもこの類と考えている。

「一定の取引ルール」の有無を問題としない程度の、圧倒的大規模な実需フローの存在

これは主に、為替取引において当てはまると考えている。

為替市場においては各国の輸出入業者、外貨準備金の存在、金融商品への派生転用など様々な要因で売り手と買い手が膨大な規模でひしめいており、結果としてあらゆる情報は価格として瞬時に相場に織り込まれる。価格操作しようとしても市場参加者によって最適化されるため、ことさら取引ルールが介在しなくとも、一日当たりの価格変動は数%以内で安定する結果となる。

上記のいずれかが存在することで、市場のボラティリティ、特に一日あたりの変動幅は落ち着きをみせる。

これに対し、仮想通貨投資市場においては、このどちらもまだまだ圧倒的に足りない状況だ。実需フローが少ないことは言わずもがな、取引規制のルールもまだ、殆どないと言ってよいだろう。意図的な価格のつり上げや落とし込みなども特に規制されていない。2017年12月、ビットコインがCMEやCBOEへの先物上場を果たしたことにより、これまで現物をコツコツと積み上げて作られた砂上の楼閣ともいえる既存の個人投資家ポジションは、大手の金融資本の前に晒され、あっさりと消し飛ぶ可能性も多分にあり得る。

これを背景に、仮想通貨市場の本質的な方向感を左右する要素は2点あると考えている。個人投資家の方にはぜひ下記要素を意識しながらトレードしてほしい。

仮想通貨投資時の心得

仮想通貨の存在を活かす、実サービスの存在

これは一部家電量販店や寿司屋でビットコイン決済ができる、といった類のものではない。国を跨ぎ、為替ではなしえない個人間の情報交換や価値取引がより円滑に成し遂げられる「サービス」との連携をイメージしている。

例えば「twitch」という動画配信メディア、世界中のPCゲーマーが自身のプレイ状況を顔出し、音声付きで配信する際に用いられているサービスだが、面白いことに有力ゲーマーには世界中の視聴者からドネーションが日々送られている。応援者のIDや金額も配信動画内でLIVE中継され、視聴者が確認可能となっており、なかなか面白いサービススキームだ。

これが共通トークンやメジャーな仮想通貨で一元化され、さらに小さな金額から気軽におひねりや支援を送れるようになると、趣味を突き詰めて生業としていきたいプレイヤーにとっては資するものがあると考えている。ゲームに限らず、法定通貨で足りる範囲の決済を肩代わりするのではなく、こうした「世界を跨ぎ」かつ「より小口の善意や支援の集約」を実現する形で仮想通貨の特性が活かされると、仮想通貨の躍進に繋がると思うのである。

仮想通貨に対する規制の強化

かねてより、マネーロンダリング(資金洗浄)への悪用や価格変動リスクが、仮想通貨市況におけるもっとも憂慮すべき要因の一つと考えている。

2018年3月に開かれるG20では、ドイツとフランスが仮想通貨の規制に関する提案をする、といったヘッドラインも飛び交っているが、至極真っ当な流れと思う。実需がさして存在しない現況において、世界平和や金融ルールを阻害してまで仮想通貨が市民権を得ている状況の方が異常ともいえる。これらの背景を踏まえて2018年も国内外の「規制」に関するニュースは最重要要素といえる。

ビットコインにさらなる下落はあるのか?

2017年は上記の2要素とも、一言でいうと「あやふや」な状況のまま価格のみ著しい上昇を達成した。

これは、大前提として挙げた「取引ルールと実需フローがどちらも存在しない」背景において、一部の大口投資家や仮想通貨取引事業者が個人投資家の期待値を燃料に相場を引っ張ってきた結果である。それを、私は必ずしも悪いこととは思わない。「そういう市場」がある、それだけのことだ。

しかし、今後は、これまでのように「買えば上がる」、すべての仮想通貨が軒並み上げ続けてきた市況とは一線を画すと私は考えている。ビットコインの年初からの下落は、ひとつの契機になり得るものであり、よく言われる「単なる価格調整、利食いによる一時的な価格変動」ではなく、より本質的な意味で仮想通貨市況に流れ込む資金とプレイヤーの変化を反映した結果の値動きなのではないかと思う次第だ。

それゆえ、私はこの先もまだビットコイン価格は下がり得ると思っている。この予想が必ずしも当たるかどうかは解らない。ちょっとした相場の機微で価格はまた大きく動く可能性もあるだろう。

しかし、いずれの方向に動くとしても、本稿で述べたような本質的な背景と市況要因についてはすべての仮想通貨投資家に改めて認識していただきたい。

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